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・電塾「2007年デジタル最新事情」
PAGEとのジョイントイベントとして開催された「2007年デジタル最新事情」
最初に電塾の早川塾長が挨拶し、2月3日に九州電塾が、4月に仙台を中心とする東北電塾が立ち上がると説明した。
そして東北電塾の佐藤さん、山形電塾の秋葉さんらが挨拶を行った。
早川塾長は、これにより電塾は、全国に8支部存在することになり、毎月勉強会をしていると述べ、1997年に15名で設立してから大きな発展を遂げてきていると説明し、60歳になったので、もうそろそろ塾長を引退しても良いんじゃないかと考えていると、年齢のサバを呼んだウィットなジョークで会場を沸かせた。
早川塾長は、多くのユーザー側の視点や検証結果に基づき「RGBワークフローガイド2007」が完成したと説明した。今回は15,000部刷ったので、日本広告写真家協会に問合せをするようにとの説明があった。なお、会場の参加者には配布が行われた。
休憩の後、スペシャルセッションとして、
Adobe社のデジタルイメージング&ウェブ製品開発部門バイスプレジデントDave Story氏、Photoshopの父であり、現在は、Camera RAWとカラーマネージメントの研究開発を行っているThomas Knoll氏を迎えて「アドビのDigital Imaging領域における研究活動の紹介とデモ」と題したセミナーが行われた。なお、Camera RAWチームに所属するアドビシステムズ社の技術普及担当部長、市川孝氏も姿を見せた。
現在、Adobe社におけるデジタルイメージのソフトウェア開発アプローチが変わってきており、Lightroomのパブリックベータを配布するとか、Photoshop CS3のパブリックベータを配布するとか研究内容を公表するようにつとめてきており、写真を撮影する上でのインスピレーションになっていれば良いなと考えていると述べた。
まず、革新的な歴史について説明するとし、過去15年に渡って、Photoshopはリーディング的なソフトウェアだったが、そうなるように開発に努めており、その裏には様々な研究があったと説明した。
これらの技術は、なくてはならないものですが、実はPhotoshopから全て生まれたものだと説明した。
デジタルフォトツールの開発の、何が難しいのか?といった質問がよくあるが、修正ブラッシツールを見て頂けるのが一番良い例になると説明し、裏でAdobeデジタルイメージに関して非常に難しい研究をしているが、見た目は非常に簡単、シンプルに見えると言う事が重要だと話した。
このPhotoshopの修正ブラシを作った人は、元々は原子力の物理学の研究をやっていた人で、写真でダメージを受けているところを、パッチツールでどうやって修正したら良いのだろうか、という問題を抱えていたと述べた。
この開発者は「物理学の熱伝導に似ている」とひらめき、非常に数学にも精通している方だったので、その人が言ったのは、四次元二分法方程式を使えば実現出来るということが分かったと説明した。
我々はこういったマジックのような発展的な組織を持ち、稼働させる中で様々なことを実現してきていると述べ、それらを「プラティカルマジック」と呼んでいる。つまり、実現可能なマジックだと言う事だと述べた。
修正ブラシの数式が、どれだけ複雑であるかという事をわかってもらいたい。その修正ブラシツールを開発した人が、新しいイノベーションを作り出したのでそれを紹介すると述べた。
世界は現在、RAWファイル化に進んでいる。現在、トーマス・ノルはその部分にフォーカスを当てていると述べた。
多くの人は、Adobeは、なぜDNGを作ったのか?という質問がよくあるが、その答えは非常にシンプルだと述べた。
過去3年間を振り返ってみると、Adobeが対応するRAWフォーマットの数が26から140にまで増え、その中の、これらカメラモデルのうちの50%は製造中止となり、また対応するメーカーの中の2社は、デジタルイメージ分野から撤退してしまっていると説明した。
DNGを作った理由は、子供などの写真を何年経っても見れるようにする事であり、メーカーが無くなったとしても、それらが、いつでも見られるようにすることだと述べた。
DNGが進化する時のメリットとして、.XMPの二つ目のファイルを別に分けるのではなくて一つにまとめて保存出来ることだと説明した。
DNGの現状についてDNGフォーマットをいくつかのカメラメーカーが採用しており、更にAdobeのソフトウェア、AppleのMac OS Xがサポートし、さらには、MicrosoftのWindows Vistaが、今年の夏にサポートすると説明した。こうした現状をふまえ、今までに無いほどに、DNGが普及していると説明した。また、DNGのソースコードは、オープンスタンダードとして公開されていることも紹介した。
ライセンス料は不要 EXIF、IPTC、XMPなどの標準規格のメタデータをサポートし、これらを一つのファイルに保存しているのが特徴だと説明した。
次に「デジタルイメージの研究取り組みについて」3つのデモを交えながら説明すると述べた。
頭の中にあるイメージと画像の中にあるイマジネーションのギャップを埋めることがいかに難しいか理解してもらうために、先ほど、難しい数式が使われていると説明したが、ここでもそうした数式が使われていると述べ、Photoshopがファイルを開けた時にみているのは、pixelだと言う事を覚えていて欲しいと述べた。
画像(画像処理、画像認識、グラフィックアクセラレーション、ユーザ体験)
人間が画像を見ときと同じような画像認識をPhotoshopにも持たせたいと考えていて、進化の度合いを比較すると、Adobeのソフトや他社のソフトウェアよりも、2歳の子供がそれは何であるか、を判断する能力に長けていると説明した。
ここに示しているように、今後Photoshopは顔認識機能等を搭載していく予定であることも明らかにした。現時点では、ソフトウェアとしてはすでに、ビーチと湖の区別はつくが、犬とネコを区別する事は出来ないと述べ、ソフトウェアが進化し、コンピュータのパワーが上がれば、イメージの違い、内容の違いが把握出来るようになるだろうと語った。
デジタルカメラは、かなり進化はしているが、カメラそのものの機能がそれほど変わっている訳ではなく、皆さんが持っているデジタルカメラと、150年前に発明されたカメラと、それほど変わっている訳ではないと述べた。
実際に使いやすくはなっているが、ピンホールカメラ、すなわち物事を見る、そして映し出すということに、実は変わりはないとし、20年で何が変わったのかというと、カメラ、それから情報がデジタルになっただけだと述べた。また、画像処理が、コンピュータ側で行われるようになった事で、コンピュータのパワーは日々上がっているので、今まで出来なかったような事も出来るようになったと述べ、しかし、カメラの性能はコンピュータの進化より遅れていると説明した。
カメラ事態が原始的であるため、我々は様々なアプローチを進めており、その為、様々な研究開発を行っているとし、それが二つ目のデモに繋がると説明した。
もう一つのトレンドとして、カメラが出るたびに100万画素が上がっているが、しかし、今のカメラで4,000万画素まで撮影できる物があると述べ、つまり、1シャッターで4Giga Pixelで撮影出来るというものだと紹介した。
しかし、画像サイズが大きくなると、使い方も変わってくるとし、すでにPhotoshopは大きな画像を扱う事が出来るので、イマジネーションと同じ速度で、この大きな画像を扱う事が出来ないか、を検討していると述べた。
ギガピクセルカメラで撮影したデータに1メガpizelデータを合わせているGiga Pixel画像を紹介し、100%解像度で広げた場合、幅24m、高さ12mのサイズになると説明した。
1kmはなれた場所から撮影したデータであっても、その先の車のナンバーが確認出来るといった、衛星写真なみの情報が含まれていることをデモで紹介した。
これを表示するにあたり、全ての画像データを表示しようとしているのではなく、必要とするある領域だけを抜き出し、それをグラフィックボードのメモリ上にのせて処理をする、といった複雑な事を行っている。これが、エンジン部分の説明になると述べた。
しかし、スクロールを行うには、読み込んだデータを再読み込みしなければならず、そこにも多くの技術が使われていて、これらマジックは、非常に難解な数式が裏で動いているという事になり、これが、Adobeのデジタルイメージの特徴で「これだけ簡単に見せる」という事がとても難しい事だと言う事が分かって頂けたと思うと語った。
この画像の左隅にゴミのようなものが写っているが、これが何であるかわかりますか?と参加者に尋ねた。
そこを拡大してゆくと.....半分だけUFOが写っていた(笑)
もっとその部分を拡大して思う事は、もっとピクセルがあったら、あともう少しカメラが右の方に寄っていたら、、と考えると思う。
このような事からメガピクセルで十分だ、という事にはならない事が分かって頂けたと思うと説明した。
the gigapixel projectにアクセスしてもらうと、今回デモで使用したデータが入手出来るだけでなく、sもっと多くの写真を見る事が出来ますと紹介した。
今のカメラによって、人間が出来る事に制約があるという事も分かって頂けたと思う。現在のデジタルカメラで撮影された場合、2Dのフラットな状態で記録される。しかし、実際人間は、2つの目で立体的に物を見る。つまり、世の中をステレオで見ていると言う事になる。そこでAdobeはカメラ事態が立体的に撮影する事が出来たら画像処理ソフトウェア上ではもっと多くの事が出来るのではないかと考えたと述べた。
その研究の早期の段階のものとして多面レンズを見せた。
カメラの前にこのレンズを装着して撮影をすると、1シャッターで19シーンの撮影を記録出来る。その後、カメラに装着出来るものができた。日本人ならば、更に小さな物を作るだろうと私は思うと語り、会場の笑いを誘った。
一つのカメラで一つのシーンを撮影するのではなく、様々な角度から複数のシーンを撮影する事ができる。すなわち、ハイパーステレオ状態な写真が撮影出来ると説明し、1pixel辺りで1つの光を捉えるのではなく、その光の方向までもpixel辺りで捉える事が出来る。この複数のイメージを組み合わせると、3Dの画像が出来る。これらによって、今までのカメラでは、実現出来なかった新しいViewが可能になると説明した。
光の値もメガピクセル単位で記録できるため、それらを組み合わせると、立体的な視点で画像が表示できるほか、カメラのアングル、フォーカス、深度なども修正することが出来ることを見せた。
しかし、こういった結果を出す為には、現在のマシンパワーでは何時間も演算処理しなければならなず、現実的ではないと説明した。将来、さらにマシンのパワーが上がれば、Photoshopの機能を用いて複雑な処理をしなくても良い、新しい編集方法が手に入れられると語った。
Adobeは、ユーザーが作りたい写真、不可能な写真、のお手伝いをしたいと考えていると述べ、これをPhotoshopに実験的に搭載し、3Dのデータを用いてエッヂをぼかす処理を行うと、フォーカスブラシというものが搭載可能になるということがわかったと説明した。
好きな場所に、好きなだけフォーカスを与える事が出来る事を見せ、こういった研究を行っているのは、我々が想像する以上にカメラが追いついていないと言う事に他ならないと述べた。
画像処理によって、嘘を伝えることが可能であることについて
あるジャーナリストの撮影した、2枚の画像を示し、どう改ざんされているか、質問した。これは、実際に新聞に掲載された画像だと説明した。
煙が付け足され、更に処理が汚いと言った。この場合は、どこが改ざんされているか判断出来る例だと説明した。
次に、チェロを持った人の画像を1枚だけ見せ、どこが改ざんされているか分かりますか?と聞いた。
写真が改ざんされているかどうかを、どうやって発見するか?についての研究は、倫理に基づいて行われていると述べ、Adobeのポリシーは、妥協なく、真実に基づく。つまり、大きな力を持つと言う事は、大きな責任も伴うと語った。
デジタルカメラから出た画像データから、どの部分が改ざんされているかどうかを、フィルター処理によって判別するが、その中でプーリー変換という物を使って判別するものをお見せすると述べた。
これは、複雑な周波数処理によって、オリジナルのカメラCCDデータから、失われた情報を探し出すことで、どこが変わったかを判断するデモだと説明した。
これは、ストリートミュージシャンが改ざんしたものであるから、それほど問題にはならないかもしれないが、これが、銃だったらどうでしょう。しかし、人間の目では、こうした改ざんされたデータを判別出来ないと言う事が問題であり、そういった理由から、Adobeではイメージ改ざんを検知出来るような技術開発の研究も行っていると説明した。
クローンスタンプツールという機能によって、近似色を判別することが出来ることをデモで見せた。これは、ある部分とある部分のpixelが、あまりにも似通っていると言う事を検知している。こうした改ざんデータの検知を自動化する事が出来ると考えており、画像だけではなく、動画に対しても適応できるのではないか、と我々は考えていると述べた。
Photoshopのパワーが上がり、コンピュータのパワーが上がり、今あるカメラ以上の事を実現できる事を目標として、研究を行っている。今後写真の分野に置いて、どのような進化を遂げるのかを理解して頂けたのではないかと述べた。
つづいて質疑応答が行われた。
Q:ここまで普及したPhotoshopについてどう思うか?
Thomas Knoll氏:元々は、趣味で作ったものが、何百万人の人に使われていることに驚いている。
Q:Adobe OSってのを作ったらどうか?
Dave Story氏:汎用目的としたOSを作ることは大変難しいが、7億台のマシン上で動いていて、年末までには10億台に達する。今後は携帯電話も見据えなければならないと考えている。Flashを携帯電話用に開発しているチームが存在する。Apploについて、リッチインターネットアプリケーションを開発中で、この機能を使う事によって、FlashやAcrobatといった様々なアプリケーションを複数組み合わせて使用することが可能になる。
Q:カラーマネージメントに関して、測色的ではなく、知覚的に判断することは考えていないのか?
Thomas Knoll氏:多くのカメラマンは良いフィルムを入手することにがんばってきた。しかし、色を入手することに注力してきた人は居なかった。
Dave Story氏:Adobeは、デジカメの見かけ上、人間が満足する色を得られる研究を行ってきている。Photoshop CS3では、カラーマネージメント部分で、ユーザーが設定を間違っている場合があり、それを改善する機能を提供する。我々はこれを「ベスト・プリント・エクスペリエンス」と呼んでいて、多くのプリンターメーカーと共同で開発を行っている。
Photoshop CS3では、一件シンプルなプリントダイアログを出すようにし、プリンターの情報から、最適なカラーマネージメントが適用されるようになっていて、Photoshop CS3が発売開始された時に、エプソン、キヤノン、HPから、この機能に対応した新しいプリンタドライバが提供されることになっている。
それらはプリンタドライバとの通信を改善する事によって、新しいプリント体験が得られるようになる。
Q:Lightroomについて
Dave Story氏:肌の質感に関して、Vibrance機能を紹介し、人間が感知する色は、オレンジや黄色に反応するため、その色部分で、どの色を修正した方が良いかどうかを自動的に示してくれる。
ツールを用いて新しい創造性をかきたてる。クリエイティビティの作業の中で、誰でも扱えるシンプルな提案を行いながらも、それらを組み合わせる事で、パワフルな作業が行えることも示さなければならない。
それは、人間が、どれだけの時間を使用するかによって、クリエイティビティを感じられるレベルが違うため、それらにも対応していかなければならないかを考えなくてはならない。どんなに良い技術を開発したとしても、それらは、人の技術レベルをあげることができると語った。
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