|
★ブースレポート
●大日本スクリーン製造株式会社
ブースの一部を使い、大々的に ヒラギノOpenType をAdobe InDesignと組み合わせての展示を行っています。ヒラギノはMac
OS Xに標準搭載されというのは周知の通りですが、敢えて別途販売も行うというのは Mac OS 9.X以前 (ATM4.6.1
以降が必要) のユーザー及びWindows (2000では標準でサポート。95・98・ME・NT 4.0では ATM 4.1以降が必要)
ユーザ向けとしてリリースしたいから、との意向があっての事だそうです。
さて、肝心のヒラギノフォントの内容ですが、今のところ一般販売を行うのは「Adobe Japan 1-4」規格に対応した15,000字形のみを収録する予定。
Apple が発表している、Adobe Japan 1-4をAppleが独自に拡張した17,000字形を収録する事については「Appleしか話せない内容なので、詳細については一切話せない。」との事でしたが、「MacとWindowsで
(Adobe Japan 1-4との兼ね合いも含めて) どのように互換性を取るのか、アプリケーションから如何にアクセスするのかが未だに不明であるので、例え17,000字を収録したとしても実用になるかは疑問が残る。」という話は伺うことが出来ました。
大日本スクリーンが正規販売代理店となった事については「これからは紙媒体だけでなく、ネットワークを含めたマルチ展開も検討しなくてはならない。」という考えに基づき行われた事で、元々強い市場であるパブリッシングマーケットをベースにネットワーク出版などの新メディアへのソリューション提案を含めた形で動いてゆく計画を持っているようでした。Mac
OS XについてはPostScriptにMacOS以上にきちんと対応しているので期待しているし、強力なネットワークシステムやNetBootシステムは今後のパブリッシングの現場には非常に魅力的。また、Appleがパブリッシング市場にプッシュしている
AppleCinemaDisplay については「流石に高価な事は有って、他社の6bitカラーしか出ない液晶とは違って8bitカラーが出るので印刷の現場でもちゃんと実用になる。何と言っても液晶なので大型ディスプレイでもCRTのように巨大な筐体になることは無いし、性能ブレが少ないのも魅力的。カラーマネジメントをきちんとやれば下手な色校をするよりは遥かに効果的に使えるので、今後更に大きな課題となるであろう、印刷過程のコスト削減やネットワーク出版には強力な武器になる。」との事で、Mac
OS X・Adobe InDesignと共に強力にプッシュしていくつもりとの事でした。

[Aqua調なデザインのパッケージ。後ろはヒラギノOpenTypeで組まれたInDesign]
フォントメーカ他社については、取材が完了しなかったために後日レポートをお送りします。
●セミナーレポート
「DesktopPublishingからDesktopMoviesへ 〜Appleのデジタルソリューション展開〜」
スピーカー: 永坂良太 アップルコンピュータクリエイティブマーケット課長
(注:撮影・録音禁止のセミナーであるために、イメージは一切ありません。御了承下さい。)
このセミナーは「Digital Solutionの展開」というテーマで進められました。
まず、業界の現状の解説から。出版は97年を最盛期として以降はインターネットの普及に比例して下降線、また製作現場にDTPが導入されている普及率についても、普通はブレイクスルーポイントとなる40%まで到達したところでMAXとなり平行線状態のまま。この状態を打破するには「InDesign
日本語版」「OpenType」「ColorSync」「PDF」などのキーワードによるデジタルソリューションによる更なる作業効率化と新地開拓が必要であるとされました。新拓地としては、とうとう今年になってから本数・金額と共にビデオを追い抜いたDVD、直接の利益に繋がるかどうかは別の場で議論すべき事では有るものの取引の1つの基盤として認識されるようになったオンラインショップなどがあり、これらと共に「Productivity」「Cross-media」の2つのチャレンジを実現するのがアップルの役割であると解説されました。
ここから、いよいよ新製品とソリューションの解説へ。
まずはPowerBook G4を紹介することから。性能についての解説などが行われましたが、一番興味深かったのは初めて発表された「SONY
VAIO 505」との重量比較。標準状態では PowerBook G4 - 2.4kg に対して VAIO 505 - 1.7kg
となるが、VAIO 505は機能を削って軽量化を図ったマシン。PowerBook G4と同等の機能を有させるには、拡張LLバッテリ・VGA出力アダプタ・DVDプレイヤー・DVD外部電源などをアドオンさせなくてはならず、その際には
3.1kg とPowerBook G4よりも逆に重くなり、それでもPowerBook G4の求めている姿には追い付かないと結論付けされました。一通り説明が終わったところで「実物も持って参りましたが...」と言って見せられた実機はJISキーボードが張られたもの。ようやくJISキーのマシンが出てくるようになって、いよいよ出荷も近いのか?っと考えさせられました。
続けて行われたのが PowerMac G4 の解説。MPUの解説の際に「733MHzと667MHzにモデルに関しては異なるチップを使っていますので、256KBのオンチップで完全にクロックと同期する2次キャッシュ
と 半分のクロックで動く 1MBの3次キャッシュが搭載されています。」とまで解説されていながら、最後まで型番は一切触れずに「PowerPC
G4」としか表現されませんでした。MPUの他にもバスクロックの向上から始まり、PCIのブリッジチップを除きメモリコントローラで直接制御するために高速化されたという情報まで事細かに解説されましたが、これらについては省略します。
PowerMac G4のデモで行われたのが SuperDrive (DVD-Rドライブ) とiDVDを利用してのDVD作成デモ。ここでは日本語化された
iDVD を利用してのデモが行われましたが、メニューから細かな警告パネルまで、きちん日本語への変換が終了しているようでした。iMovie並のお手軽さで、様々なメディアをインタラクティブにミックスさせたDVDが作成できる
iDVD は何度見ても感動モノです。
iDVDに続いてDVDオーサリングソリューションとして発表されたのが「DVD Studio Pro」。「準備が出来なかった」との事でデモンストレーションは行われませんでしたが、ドルビー5.1chサウンドシステム
や リージョンコードの設定など、DVDに関する有るとあらゆる細かな設定まで可能なメディアオーサリングシステムに仕上がっているとの事でした。MPEG2エンコーディングについては「DVD
Studio Proにソフトウェアエンコードエンジンが同梱されており QuickTimeのプラグインとして動作する。この為にQuickTimeを利用して動作する
iMovie・Final Cut ProなどからでもMPEG2書き出しが可能となる。」との事でしたが、「但し、MPEG2エンコードエンジンは
DVD Studio Pro がインストールされて無ければ動作しない」とも付け加えられました。なお、DVDの書き出しについてはApple製SuperDriveの他に、Pioneer製DVD-Rドライブ・DLTドライブを正式にサポートしているとの事で、省ロットであればSuperDriveで、大量ロットの場合にはDLTに落として外注するなどして欲しいとの事でした。
この後はAppleが何時も使う素材を使っての、これまた何時もの通りのFinal Cut Proのデモと、Mac OS Xについての解説。Mac
OS X の解説は、先日のMacworld SFにて発表された最新のAquaインターフェイスをベースに行われましたが、残念ながら発表済みの静止画のみの公開で、実働する
Mac OS X の公開は有りませんでした。
以上でセミナーは終了。念の為に終了後、DVD Studio Proの日本語化について質問しましたが「アップルは将来の事については一切語らない。“現状では”英語版を
The Apple Store で販売するだけに留まる。」との事でした。
●Adobe特別セッション「OpenTypeが広げるフォントの未来」
次世代のデファクトスタンダートとなる「Open Type」を、InDesignと組み合わせて解説するセミナーが開催されました。
まずはAdobeの持つビジョンの解説から。Adobeは近年言い続けているように「ネットワークパブリッシング」という、eBookのような規格を使って携帯やPalmから、PDFなどを使いPCまで何時でも何処でも、何でも情報を見れるようにするのが目標であるとの事。そして印刷については
InDesign を利用して行うのにフューチャーするとの事でした。
しかし、このような世界を実現した場合には現状で抱えている問題がクローズアップされる可能性が極めて高いために Adobe
はまずはOpenTypeとInDesignを使用して、印刷に関する問題を解消するとの事です。ちなみに、Adobeの開発チームは「Gaiji
(外字)」と言って意味も内容も通じるほど日本の印刷についてもきちんんとリサーチしており、問題点も正しく理解しているとの事です。
ちなみに、今抱えている印刷の問題としては
●複雑な構造
解像度制限があったり、使用するフォントがプリンタとマシンで異なる点
プリンタへ印刷用フォントをダウンロードしたり、インストーラが使いづらく、分かりにくい点
値段が高く、印刷用・出力用などと種類が多い点
●プラットホームの間の互換性が低い
エンコーディングの違いから、特に外字では互換性がほとんどない
●弱いタイポグラフィ
文字の中にグラフィック情報を持たせられない (CIDでは可能)
外字のサポートが足りない
などの他、デザインする際にはフォントとアプリケーションに完全に縛られており、デザインから出力までそれぞれに適した解像度を持つ、同一デザインのフォントを用意しなくてはならない、などが上げられます。
これを解決する手段がAdobeがMicrosoftと共同で開発した「OpenType」。特徴としては
●ホスト(コンピュータ)ベースのフォント
コンピュータにフォントが入ってさえしていればプリンタフォントが不要
●フォントの詳細なデータを含ませてイメージセッタへ転送
欧文では既に実現しているが、各種エフェクトを掛けた情報もデータとして転送が可能
●解像度制限無し
これによって、いかなるPSプリンタでも出力可能
●PDFへのエンベッドも可能
アウトライン取りも可能
●完全なクロスプラットホーム
フォントの全情報が1ファイルとして収録されており、そのファイルは完全にMac OSとWindowsで共有可能。ライセンス問題を無視しての技術論で言えば、MacOSで使っていたOpenTypeをFTPでWindowsに転送すれば、Windowsでもそのまま使える。
●Compact File Format
このファイルフォーマットにより、OpenTypeのフォントファイルサイズのコンパクト化が可能(?)
●Unicodeの完全対応
●縦書き用フォントも収録
●今までのどんな資産とも共存可能
などをもっています。
最初の「ホストベースのフォント」というのが何故採用されたかと言うと、マシンにフォントをインストールさえすれば済むようにして作業工程ワークフローの簡略化と親和性を高めるため、PostScriptの中に全情報が入るのでプリンタへフォントを準備させておく手間が要らなくなるから、解像度制限が無くなりRIPも持つ能力限界で印刷が出来るようにするため、PDFへのエンベットが簡単に出来るようにするため、などの理由によって。一部には作成するデータファイル量が大きくなることを懸念する声も有るようですが「最低でも10Base、普通は100BaseのEtherでのネットワークが常識となり、またマシンの処理速度も著しく向上しているので、この程度なら許容範囲内のはず」との事でした。
ここで、AdobeのOpenTypeラインナップの紹介が。InDesignにも収録されていますが、エントリークラスのユーザーが使用するように
Adobe Japan 1-3に準拠した約8,000字形を収録した「小塚明朝Standart」6書体(EL・L・R・M・B・H)と、プロDTPユーザ向けに
Adobe Japan 1-4 に準拠した 約15,000字形を収録した「小塚明朝Pro」1書体(L)がラインナップされているとの事です。
|

|

|
|
[Adpbe Japan 1-4ではこんな文字も収録されている] |
[Fiが合字になっている点に注目。しかしこれはデザイン上変更されているだけで、文字コードは一切変更されていない] |
ちなみに、Adobe Japan 1-4とはAdobeが提唱する日本語の字形セットの事。Adobe
Japan 1-0から始まり、8,000字形を収録したAdobe Japan 1-3に続く規格として1996年からアップル・朝日新聞などの大手ユーザーやモリサワ・大日本スクリーンなどのフォントメーカと共同で開発・規格したもの。ちなみに、写植印刷に近づける為に収録文字数を増やしては来たが、外字については時と場合によって使われ方が全く違うので全部収録し切れるとは考えていないとの事でした。ちなみに、Adobe
Japan 1-4で増やされたのは代表的なものだけでも、メートル・リットルなどのカナ合字、「(株)」などの漢字合字、縦・横用の記号を含む文字、ルビ用フォント、マル付きの数字、横倒しにしたローマン、分数、ユーロなど多岐に渡り、代表的な外字であればほとんどは字形に吸収されたと言ってしまえると思います。
さて、OpenTypeのOS・アプリケーションによるサポートについてです。
Mac OS X (Classicを除く)・Windows 2000ではシステムレベルでサポートが完了しています。Mac
OS 8.1〜9.Xでは ATM 4.6.1(通称「ATM 4.6」)が必要、Mac OS X (Classic)では現在開発中のバージョンナンバー未定「ATM
4.6.x」をインストールする事で使用が可能になります。システムが認識できれば、(余程のトリッキーなもので無いかぎり)全てのアプリケーションでOpenTypeを利用出来るようになります。
 |
 |
| 現在の環境 |
OpenType導入による環境 |
[OpenTypeを使う前後では、利用フォントの種類がこんなに違う]
しかし、ここで一つ問題が。OpenTypeを認識できてもUnicodeでマッピングされていないAdobe
Japan 1-4の文字などの異字体についてはアプリケーション毎に、サポートをしてやらなければ使用は出来ません。例えばInDesignであれば対応が完了しているので、全字形へのアクセスが可能となっています。Adobeについてだけ言えば、今後順次対応を進めてゆくとの事でした。
この後、InDesignのデモが行われましたが、OpenTypeのハンドリングに関するものだけでしたので省略します。
最後に行われたのが、ゲストのモリサワによるOpenTypeへの取り組みについて。
モリサワはOpenTypeの特徴を全て実装したうえで再インストールの不便さを解消し、マシンがクラッシュした際に一々モリサワまでキーディスクを送付するような手間を無くすとの事でした。
OpenType化については全63書体について行うとの事でした。その中でも、太ミンA101、見出ミンMA31、中ゴシックBBB、太ゴB101、見出ゴMB31、新正楷書CBSK1、リュウミンL-KL/R-KL/M-KL/B-KL/H-KL/U-KL、新ゴL/R/M/B/U、ゴシックMB101
B/H/U、じゅん101/34/501、教科書タイICA L/R/Mの26書体についてはAdobe Japan 1-4準拠の15,000字形収録のProバージョンで、勘亭流、楷書MCBK1、タカハンド、学参フォントの4書体についてはAdobe
Japan 1-3準拠か、1-4準拠で行くのか未決定との事でした。Appleの 17,000字形については情報が無いうえにMacOS・Windowsで互換性が取れるのか、アプリケーションが対応するかなどが完全に不明であるので、現状では「対応予定無し」としているとの事でした。肝心のリリース予定については、リュウミンL-KL、太ミンA101、見出ミンMA31、中ゴシックBBB、太ゴB101、見出ゴMB31、じゅん101
の6書体をMac OS 8.1〜9.x向けに夏ごろにリリース、続けて秋ごろには同フォント群をWindows及びMac OS
Xへ対応させ、その後は数書体(多くはファミリ毎で)が整備出来次第、徐々にリリースするとの事でした。
ちなみに、現在の環境との共存についてはフォントネームを異なったものにする事で実現。販売については、システムの安定・アプリケーションの対応が行なわれるまではOpenTypeとNewCIDは並行開発・販売を行うものの、最終的にはOpenType一本に絞るとの事でした。
最後に行われた、FAQでは「モリサワのOpenTypeの価格帯は、低解像度フォントよりも安くなるのか?」という質問が飛び出しましたが、「それは答えられない。但し、社会情勢的に(高価にすることは)許されないでしょうから...」と語尾を濁した解答に留まりました。
大きな可能性を秘めつつも、新しい技術で有るために不安要素も多いOpenType。今後数年でどのようになるかが非常に興味深い所です。
|